保健師と一口にいっても、その仕事内容はさまざま。企業で働くか、行政で働くかによっても異なる部分がありますが、資格取得するのであれば、現場の声や将来性も押さえておきたいですよね。そこで今回は、保健師に対してみなさんが思う疑問についてまとめました。
保健師の求人はあるの？
看護師の求人と比較すると少なめで、求人自体もあまり多くありません。これは、同じ職場で長期間働く人が多く、入れ替わりが少ないことも影響していると考えられます。見方を変えると、定着率の良い働きやすい職場が多い証拠。しっかり調べて、自分に合った仕事を見つければ、ずっと働き続けられる可能性が高いのです。
保健師の将来性は？
保健師には、関わるべき社会問題がたくさんあります。少子高齢化、成人病、生活習慣病、うつ病、喫煙、アルコールや薬物依存、自殺、いじめ、過労など、頻繁に新聞やニュースで取り上げられる、関心の高い問題ばかりです。
また、近年は医療費の増大により、予防医療の時代へと移行しています。病気のサインを発見し適切な対応を行ったり、高齢者の自立を促したりと、保健師の役割はより重要なものとなってきています。
さらに現代では、多くの人たちが悩みをひとりで抱え込んでいます。保健師には、彼らの健康を守ると共に、相談や指導などによって、精神的な面から彼らを支える役割も求められています。
こういった背景を考えると、今後も活躍の場は増え、仕事の幅も広がっていくことが予想されます。さまざまなケースに対応するため、業務の細分化が進み、各分野のスペシャリストの育成なども検討されるかもしれません。
保健所や保健センターなどにとどまらず、訪問介護ステーションなどの介護施設で働く保健師が増える可能性もあるでしょう。
仕事への満足度は？不満はある？
保健師の業務に対し、残業がないというイメージを持つ方も多いようですが、実際には残業が多い職場もあり、「残業が少ないから、保健師になったのに……」と、イメージとのギャップに悩むことも多いようです。また、人とかかわることが多いため、人間関係のトラブルでのストレスも、不満のひとつとしてあげられます。
【保健師に聞いた職場への不満】
・仕事に対する姿勢によって仕事量が変わります。真面目な人ほど、いろいろ背負い込んでストレスをためこんでしまう傾向があると感じます。
・職場に自分ひとりしかいないので、すべて引き受けなければならないことが、大きなストレスです。
・女性の多い職場なので、女性特有のトラブルは避けられません。年齢の高い女性職員が多くてやりにくいです。
一方で、諸手当の充実や休みの多さなどの条件面を高く評価する声も多く聞かれました。こういった「条件の良さ」は保健師最大の強みと言えるでしょう。
また、仕事に強いやりがいを持ち、高い満足度を得ている人も少なくありません。地域や現場の方に感謝されたり、頼られたりすることでモチベーションがアップし、より良い仕事へつなげるという好循環が生み出されているようです。
就職活動や人間関係、残業など大変なこともありますが、やりがいを持って前向きに取り組んでいる保健師さんも大勢いらっしゃいます。そう考えると、できるだけ条件の良い職場を選ぶことが第一関門。そして第二関門は、保健師というお仕事に、どう「やりがい」を見つけるかかもしれません。これは、あなた次第というところもあるため、自身に合った職場で、自身に合った働き方を模索してみてはいかがでしょう？
