現在看護師として働いている中で、「予防医療」への関心が高まり、保健師への転職を考えている人もいるのではないでしょうか。保健師の資格は、4年生の大学か専修学校で看護師の資格と同時取得するか、看護師の資格取得後に保健師養成施設1年以上学び取得する方法があります。看護師として働いているが、保健師の資格は未取得という人も中にはいると思います。保健師としてキャリアチェンジしようとしたときに、まずは保健師の資格取得を目指さなければなりません。この記事では、保健師資格取得から転職まで、看護師から保健師へキャリアチェンジをするための方法などをご紹介します。
保健師の仕事・役割とは?
保健師になりたい、と考えている人は保健師がどんな仕事をしているかは把握していると思いますが、実際にはどこでどんな仕事をすることになるのでしょうか。保健師の仕事について詳しくご紹介します。
保健師になるために、看護師の資格は必須!
保健師として働くためには、看護師の資格が必須です。まずは看護師資格を取得するために専門学校や、大学などで学び、看護師の資格を取得してから保健師を目指すことになります。学校の中には、看護師と保健師の資格を同時に取得できる「保健師コース」などが用意されている場合も。看護師の資格をすでに持っている人は、1年以上の保健師教育課程で学ぶことで保健師国家試験に挑むことが出来ます。学び方は様々ありますが、ひとつは1年間の短期大学専攻科や専修学校で学ぶ方法、そして大学院修士課程で2年間学ぶ方法があります。
保健師が担う「予防医学」
保健師は、人々が長く健康を維持して生活していけるような指導や、病気にならないように予防するための方法を広めたり伝えたりしながら、地域や企業に勤める人々の健康のサポートを行います。これから日本は、超高齢化社会に突入するといわれており、人々に健康のあり方を伝えるのが、保健師としての大切な役割です。
保健師が働く職場とは?
保健師が働く職場は約70%が保健所・保健センターです。行政機関で働く保健師を「行政保健師」と呼びます。そして、そのうちの80%近く、つまり保健師全体から見ると約56%が市区町村に設置された保健センターとなっており、保健師は地域に根付いた活動を主に行いながら、地域の人たちに健康の大切さを伝える役割を担っています。
行政保健師以外にも、企業に勤務をして働く人々に健康の在り方を伝える「産業保健師」、学校に勤務して生徒・教職員の健康をサポートする「学校保健師」、様々な場所で保健師は活躍することができるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/16/dl/kekka1.pdf
▼保健師の仕事や働く場所についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
保健師お仕事徹底ガイド!働き方や働ける場所、資格について解説
看護師から保健師になるために、必要な資格の取得方法
看護師から保健師になるためには、保健師の資格が必要です。どのように資格取得をしたら良いのか、詳しくご紹介します。
保健師の資格の取得する方法
保健師の資格は、看護師資格を取得したのち、文部科学大臣の指定した学校、または厚生労働大臣の指定する保健師養成施設で1年以上の過程を修了している事が取得の条件となります。学校によっては看護師資格の取得と同時に保健師資格を合わせて取得できるコースを設けていることもあるため、学校入学前から保健師として働きたいと考えている人は、保健師資格も同時に取得できるコースを選択すると最短ルートで保健師資格が取得できます。
保健師資格を取得するための方法は、大きくわけて「大学、専門学校(4年制)」「短大、専門学校(3年制)」「保健師養成学校(1年制)」の3つあります。
・大学、専門学校(4年制)
4年生の大学・専門学校には、看護師と保健師の統合カリキュラムが設けられているコースがあり、看護師と保健師の国家資格を同時に受験することができます。
・短大、専門学校(3年制)
看護師の養成課程で学んで看護師国家試験を受けた後、保健師養成学校もしくは看護系大学の保健師養成課程3年次に編入して学び、その後保健師の国家資格を受験することができます。
・保健師養成学校(1年制)
すでに看護師の資格があり働いている場合は、保健師養成学校に通って学び保健師の国家資格合格を目指します。
看護師の資格だけ持っており、保健師の資格を持っていない人の場合
・最短で取得をしたい:保健師養成学校(1年制)に通う
保健師の資格を取得するための最短のルートは、保健師養成学校へ通う方法です。1年制の保健師養成学校に通うと、保健師資格の受験資格が与えられ国家試験に挑戦できます。学校によっては、学外で必要単位を取得することによって養護教諭2種まで取得が可能な学校や第一衛生管理者の資格が取得できる学校などもあります。
・じっくりと勉強し直したい:大学に編入する(2年制)に通う
保健師としてこれからキャリアを積んでいくために、もう少しちゃんと勉強をしておきたい…という人は、2年制の大学へ編入する方法もあります。専門科目以外にも社会科学、自然科学、外国語等の科目が設けられていたり、政策形成力を磨き、行政保健師として活躍できる人材を育成する、といった学校など様々です。
国家試験のチャンスは年に一回!合格率はどれぐらい?
保健師の国家試験は。年に一回実施されています。その年に合格できなければ、また1年後となってしまいます。試験内容は以下の通りです。
<試験内容>
・筆記試験:公衆衛生看護学、疫学、保健統計学及び保健医療福祉行政論
となっています。合格率は下記となります。
引用:
https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2018/siken03_04_05/about.html(厚生労働省:第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験及び第107回看護師国家試験の合格発表について)
このような結果からもわかるように、合格者数は80%以上と非常に高いです。
看護師から保健師になるために…まずは学校に入ろう!
保健師の国家資格を取得するために、まずは学校に入って学ぶところから始めます。保健師を目指せる学校はたくさんあるため、費用や通う場所など、自分が学びやすいと思える学校を探しましょう。保健師の国家試験は、毎年2月の中旬に行われます。それまでに保健師になるために必要なことを学び、しっかりと受験勉強もしておく必要があります。
入学試験はいつ行われるの?
学校の入学試験は、毎年9月ごろから始まります。それまでに通いたい学校・受験したい学校を決めて、合格できるように勉強しておく必要があります。
入試の内容をチェック
入試の内容は学校によって異なります。基本となる入試科目は「看護学」となっており、プラスで現国や数学・討論・一般教養・面接・小論文・書類審査などがあります
すでに看護師として働いている、看護師資格を取得している場合は看護学なら問題ないと思うかもしれませんが、看護師資格を取得してから時間が経過していると忘れてしまっていることも多いはずです。もう一度、はじめから学び直す気持ちで受験勉強を始めましょう。
資格を取ってからの転職活動
保健師資格を無事に取得できたら、次に考えなくてはいけないのが就職・転職先です。看護師と比較すると、保健師の求人は少ない傾向があります。元々採用人数が少ないことや、離職率が低いことが要因となっているようです。転職先を見つけるために、積極的に情報探しを行いましょう。
▼保健師の転職についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています
保健師の転職あれこれ!働く場所や探し方徹底紹介
おすすめの求人サイト
保健師の求人数は少ないといわれていますが、見つからないからといって保健師として働くことをあきらめる必要はありません。様々な方法で保健師の求人を探しましょう。おすすめの求人サイトを1つ、ご紹介します。
パソナメディカル
パソナメディカルは、保健師を含む医療分野の求人を専門で扱っている求人サイトです。全国の保健師求人がチェックできます。採用にあたって知っておきたい条件などもあらかじめ確認できるため、勤務し始めてから「こんなはずじゃなかった…」と悩む心配もなく、安心して転職先が探せます。
▼保健師の求人についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています
保健師の求人を探すならここ!おすすめの転職サイトを紹介!
まとめ
保健師資格を取得する場合、看護師の資格を取得している人であれば最短で1年間学校へ通い国家試験へ挑むことが出来ます。じっくりと勉強したいと考えている人には、大学という選択肢も。まずは自分に合った学校選びから始め、資格取得を取得し、保健師を目指しましょう。