「転職したい……」。そう感じながら勤務している看護師さんは、意外と多いのではないでしょうか。とはいえ、転職経験がないと、なにから手をつけたらいいのか、どういう手順で転職活動を進めればいいのかなど、わからないことだらけですよね。
そこで今回は、現役看護師である私の経験を元に、転職活動開始のタイミングや上司へ転職を報告する時期、引き継ぎの方法など「看護師専用の転職の段取り」をまとめました。スムーズに転職をできるよう、ぜひご活用ください。
■1.転職活動
まずは、退職時期の予定を立てるところから。仕事をしながらの転職活動になるため、引き継ぎや面接準備などのことも考慮し、余裕をもって進めていきましょう。
また転職活動を行う際には、転職エージェントを利用すると、転職活動をよりスムーズに進めることができます。そのスタートアップとして転職サイトに登録すると、専門コンサルタントがこちらの希望条件をもとに、求人をピックアップしたり、自分が気になっている求人の詳細情報を教えてくれたり。より良い条件で勤務先を探せるよう、サポートしてくれます。
さらに転職先との面談や院内見学などの日取りも、コンサルタントが調整してくれるので、煩わしい手続きなどの負担も軽減されることでしょう。
仕事と転職活動の両立は大変ですが、エージェントを利用することで仕事に集中しながら転職活動ができますし、転職後のフォローもしてもらえるというのは、安心できるポイントですね。
■2.退職希望時期の1ヶ月前までには相談
転職先が決定したら、配属されている診療科の師長に時間を取ってもらい、退職したい旨とその希望時期を伝えましょう。基本的に打ち明ける時期は、就業規則を厳守。そのため、転職活動開始前に就業規則を確認しておくと安心です。
さらに退職日が決定したら、その日まで勤務するのか、有給を充てて過ごすのかを早めに決めて、師長に相談します。
引き継ぎや後任を探す関係上もあると思うので、上司への報告、相談のタイミングはとても大切に。もし、打ち明けるタイミングを見つけられなかったり、家庭の事情などで急ぎの転職を考えたりしている場合にも、最低1ヶ月前には必ず相談するようにしておきましょう。
■3.相談後、問題がある場合は面談
師長との面談後、看護部長や副部長との面談が開始されます。ただし、看護部長との面談が発生するのは、急な転職や、そのほか問題がある場合に限られることが多かったように思います。
とはいえ、筆者の経験と、他の退職者の状況を現場で見る限りは、部長クラスの方に面談で、引き止められる可能性が高かったという点は、気になるポイントです。
その際にも転職したい理由を明確にして「転職したい」という、確固たる意志を見せるようにしましょう。隙をみせたり、引き下がったりしてしまうと、ズルズルと転職を先延ばしにされることもあるので、注意が必要です。
また、転職理由に関しては、人間関係や給与面に関することは避けるのが無難です。
心証をよくするためにも、転職先でしかできない、現勤務先では実現できないスキルアップがしたいなどの前向きな理由を伝えること。面談時には、退職時期の相談も忘れないようにしましょう。
■4.引き継ぎ
転職先が決定し、無事面談を終えたら、引き継ぎの準備を進めます。委員会やプライマリー患者さんの看護計画、そのほか看護業務の引き継ぎに漏れがないよう、慎重に進めていきましょう。それぞれ引き継ぎ内容を、ファイルにまとめるなどして渡すと良心的です。
またこの時期は、引き継ぎとともに、要らなくなる私物もでてくると思うので、少しずつ持って帰るようにしましょう。くれぐれも、退職日当日にすべてを持ち帰るということがないよう注意が必要ですね。持ち帰るのが大変ということもありますが、私物を置き忘れると、勤務先にも迷惑になるので気をつけておきましょう。
■5.現部署は挨拶
退職日前後、または当日に、配属部署や上司に菓子折りと、お世話になった旨を伝えます。退職日翌日から転職先入職日までの間は、転職先で必要になるものの準備を進めていきましょう。
■現職にも転職先にも迷惑をかけない、計画を
面談が長引くなどの理由で、退職日が決まらないまま入職日を決定すると、現勤務先の病院にも、転職先の病院にも迷惑がかかります。転職活動をする場合には、きちんと計画を立てて、余裕をもって順序よく進めていきましょう。
