病院勤務を続けていると、夜勤がつらい、病院での勤務に疲れた……と感じること、ありますよね。けれど、看護師以外の職種で働ける自信がないと足踏みしたり、看護師の資格を活かせる仕事に、なにがあるのかわからない……と悩んだり。
そこで今回は、「常に安定して求人数がある」「単発・短期ではない」「病院以外で看護師として働ける」という条件のもと、看護師資格を活かして働ける、病院以外の職場をご紹介していきましょう。
■介護施設
医師が常駐していない介護施設の利用者さんからすると、医学の専門知識を持っている看護師は、一番身近にいる「健康のエキスパート」。日頃から頼られる場面も多いようです。たとえば、血圧を気にして、お風呂に入りたがらない利用者さんの場合「看護師さんが、大丈夫というなら……」と、聞き入れてくれる利用者さんも。
また看護師の場合、主に利用者さんのバイタルチェック、内服管理をメインとなります。しかし人手不足の場合には、送迎やレクリエーション企画、リハビリ、入浴介助などの業務も兼用している施設が多いようです。
介護スタッフからも頼りにされるケースが多く、多方面から、やりがいを感じることができる職場と言えるでしょう。
[病院では得られない体験]
介護施設では、“治療”を目的とするのではなく、介護やリハビリ、暮らしを目的としている場のため、要介護レベルが比較的軽い利用者さんとであれば、病院よりもゆったりとした時間でコミュニケーションが取れるのではないでしょうか。
また介護施設では、10年以上勤務している看護師も多いという調査結果がでており、その点でも続けやすい職場だと言えるかと思います。
■訪問看護
訪問看護の患者さんは、基本的に70歳以上の高年齢層の方が多いものの、40歳未満の方も利用することもあります。そのため、様々な年齢層の患者さん、そしてあらゆる症例の方を対象として看護を行うことから、幅広い知識や経験を積みやすい環境と言えるのではないでしょうか。
また、高齢化に伴って、在宅医療が勧められていることもあり、訪問看護師の需要は高まっています。そのため求人も豊富で、過去に訪問看護師の経験があると優遇されるケースも多いようです。
その場の判断や処置などを、ひとりで行わなければならない場面があったり、看取りや、夜間呼び出しなどがあったり、自分自身のスキルと判断力が問われる機会も多いと思います。そのため簡単とはいえない業務ですが、その分、さまざまな分野を学び、より多くの経験することができます。
また訪問看護師は平日勤務が基本となるケースも多く、その場合、土日祝日など家族と休みを合わせやすいという点は、魅力といえるでしょう。
[病院勤務では得られない体験]
患者さん宅に伺って看護するため、「自宅にあるもの」を利用して、生活習慣に寄り添った看護やケアを行います。
病院の場合、看護師が患者さんと関わる時間はほんの少し。十分なコミュニケーションが取れないことも、多いですよね。その点、訪問看護であれば、患者さんが暮らす空間のなかで看護業務を行えることから、患者さんをより身近に感じ、お互いにリラックスした看護の時間を経験することができるのではないでしょうか。
■献血ルーム、献血車
採血が得意というのであれば、献血に特化したお仕事も。さまざまな部位の血管から採血できるため、採血に関する技術を、より向上させることができます。
また健康な方の採血をする機会がほとんどのため、病院のように脆い血管や、脱水で膨らみがない血管などに穿刺することはあまりありません。この点からも、採血が苦手という方が、採血の経験を積むにもぴったりといえるでしょう。
ただし、治療のための採血ではないため、採血に失敗するとクレームに繋がりやすいということも……。このほか、マニュアルや手順が厳しく、細かいので、最初のうちは覚えるのに苦労したり、献血車の場合、資材の設営などの体力勝負だったりと、大変な一面もあげられます。
その一方で夜勤がなく、勤務は日中のみという大きなメリットもありますよね。さらに献血ルームや献血車は運営時間が決まっているため、基本的に残業になることはほとんどなし。きっちりと仕事とプライベートを別け、自分の時間を確保することができるでしょう。
業務も採血がメインなので、ブランクがある看護師でも復帰しやすく、急変が頻繁に起こることもほとんどなく、安心してルーティン業務をこなしたい方におすすめの職場です。
[病院勤務では得られない体験]
健康な方への対応になるため、看護よりも、サービス面の強い施術を経験できます。さらに数多くの採血の経験をすることで、採血技術が大幅に上達させることができるのではないでしょうか。
■病院以外で働くという選択肢
看護師の資格を生かして働けるところは、病院以外にもたくさんあります。ご自分の気持ちや体の訴えをよく聞いて、病院以外での働くというのもひとつの方法かもしれません。今回ご紹介した働き方であれば、求人も多く出ているので、機会があれば、ぜひ覗いてみてくださいね。