保健師と一口にいっても働き方はさまざま。そこで今回は、保健師の資格を取得済みで、養護教諭の仕事にも興味があるという方に向けて、養護教諭の仕事内容や、資格取得までの道のりをご紹介。あなたにも、新たな道が見つかるかもしれません。
■保健師と養護教諭の違い
企業で働く産業保健師と養護教諭を見ると、人々の健康管理・疾病予防を担うという観点からは、やることは同じ。違いは、働く場所と対象者です。
産業保健師は、企業・事業所などに所属し、そこで働く従業員を対象とした健康維持増進・疾病予防活動などを行います。一方、養護教諭は、小・中・高等学校において子どもを対象とした健康管理・健康教育などを行います。
■養護教諭の具体的な仕事内容
養護教諭の業務は多岐にわたります。主に、以下のような内容行います。
・心身の健康管理(救急処置、健康診断、健康問題の把握や予防・管理)
・学校環境衛生の管理(日常的な点検)
・保健指導(個別指導や授業、学校行事での指導)
・健康相談(いじめ、災害等における心のケアなど)
・保健室経営、保健組織活動
(参考:財団法人日本学校保健会資料)
子どもを対象とした保健指導を行うこと、いじめ問題を含めた、心の健康相談が含まれるのが特徴です。
■保健師から養護教諭になるには?
残念ながら、保健師の資格のみでは「小・中・高等学校」における学校保健に携わることはできませんが、保健師資格は養護教諭2種の基礎資格となります。
保健師免許を所有・登録し、都道府県教育委員会へ申請すると、養護教諭2種免許の免許が取得できます。ただし、教育職員免許法で定めるところの4科目(日本国憲法、体育、外国語、情報処理)の必要単位を履修している必要があります。履修していない場合は、教員養成課程のある大学などで履修することが可能です。
また、文部科学大臣が定める指定教員養成機関(大学6校、専門学校1校)で必要単位を修得すると、養護教諭1種の免許もとることができます。
そして、養護教諭2種または1種を修得した後、教員採用試験に合格すれば、晴れて養護教諭となれます。狭き門ですから、努力と根気が必要です。なかには、非常勤講師 として勤務しながら、採用試験に挑み続ける方もいらっしゃるようです。
養護教諭には、必ずしも看護師・保健師の免許は必要ではありませんが、急なケガや疾病の応急処置などを必要とされる場面も多いもの。直接的に採用が優遇されることはありませんが、看護師・保健師の免許や病院での実務経験があれば、自身の知識や経験が活かせ、強みにもなるはずです。
■おわりに
養護教諭は学校に通う子どもを対象に、健康管理・疾病予防活動を行っています。子どもたちが安全・安心に学校生活を送る手助けができるため、やりがいは大きいはず。もしご興味があるのであれば、このまま、行政のHPなどを覗いてみてはいかがでしょう。