保健師が活躍できる職場でもっとも多いのが、都道府県や市町村といった、行政のお仕事。そこで今回は、公務員として働きたい! と考えている方に向けて、行政保健師の仕事内容、求人の多い場所、採用されるコツなど、役立つ情報をまとめました。
公務員(行政保健師)の仕事内容や勤務地は?
・仕事内容
行政で働く保健師の割合は、都道府県14.5%、市町村85.5%(厚生労働省 平成30年度 保健師活動領域調査より)。都道府県と市町村では、保健師がカバーする業務の内容が違います。都道府県、政令指定都市、中核都市などが設置する保健所では、精神保健、難病対策、感染症対策などの専門的支援を行う他、都道府県全体の健康問題の把握・調査・対策等、より広域的で専門性の高い業務展開が特徴です。
市区町村が設置する保健センターでは、乳幼児、妊婦、高齢者、障害者すべての年代における地域住民を対象とした健康相談、保健指導、予防接種、各種検診の業務を、住民と密に接し、地域に根差して展開していきます。
・勤務地
保健師の求人を多く取り扱う紹介会社の担当者さまによると、保健師の求人は、東京都内や名古屋、大阪などの大都市圏が中心とのこと。これらの地域のなかでは、行政保健師の臨時職員(派遣)の求人も多いそうです。
・エリア別対象者の違い
大都市圏、特に東京23区ではエリアによって住民の年齢構成が異なり、発生する業務内容にも差が出てくるようです。
たとえば、高齢化率が比較的高い北区(25.4%)、足立区(24.7%)、葛飾区(24.5%)などであれば、高齢者対象の業務が多いといえるでしょう(東京都の統計平成29年1月)。
また、都内の外側に位置していて、比較的面積の大きい地区は、子育て世帯にも人気。そのため、こういった地域では、子育て支援に関する業務が多い傾向にあるようです。
■公務員(行政保健師)になるには?
公務員として、行政保健師になりたいのであれば、保健師の専門試験とは別に、公務員試験(一般教養)が必要となります。過去問題や参考資料を基に、対策を講じましょう。面接、論文では時事問題などを整理し、自分の言葉で論述・口述できるよう、繰り返し練習をしておくと安心です。
行政保健師の採用試験は、おおむね6~9月の期間で、都道府県→市町村の順で行われることが多いようです。地域の広報やHPでチェックすることができますので、ご自身でチェックしてみてください。
また、年間を通して、臨時職員などの募集がある場合もあるようです。前述のように、高齢者支援、子育て支援など、エリアごとに特色がみられますので、自身の興味ある分野から勤務地(区や市町)を選択し、臨時職員を経験しながら、公務員試験に挑戦するというのも、ひとつの方法かもしれません。
まとめ
地域住民に対する、健康支援が主な業務となる行政保健師のお仕事。都道府県・市町村では、カバーする業務内容が異なるものの、いずれも、対象地域への愛着と、高い志が必要となります。
勤務地の立地、面積、人口分布(年齢構成)などによって、募集状況や業務内容が異なる場合も多いため、自身に合った職場で働けるようリサーチしていきましょう。人材派遣・紹介会社などを利用して、行政保健師を目指すのもひとつ。まずはどういった業務にあたりたいか、希望を模索してみてはいかがでしょう。