保健師で働きたい! と保健師免許を取得しても、実際に就職ができるのかは気になるところ。「まず募集はあるの?」「試験の倍率は?」と考える方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、気になる保健師の採用状況についてまとめました。
■いま働いている保健師の職場は?
まずは、現在の保健師の勤務先の実態から見ていきましょう。行政保健師として働いているのは保健師のうち約70%。市町村の保健センターや役所に勤める保健師(約55%)。都道府県の保健所に勤める保健師(約15%)となっています。次いで、企業に勤める方の健康管理をする産業保健師で約8%。そのほかにも、診療所や介護保険施設・社会福祉施設・訪問看護ステーションで働く保健師などもいます。
(参照:厚生労働省(H28年衛生行政報告。就業医療関係者より。隔年報告)
■採用試験の倍率や留意点は?
保健師の採用試験の倍率も、気になるところ。応募先によっても違いはありますが、いくつかの具体例や、就職活動時の留意点を見ていきましょう。
・行政保健師の場合
まずは、勤務者が多い行政保健師の一例です。
東京都(保健師)7名の募集に対して、77名受験。採用決定者11名名(7.0倍)
特別区(東京23区)保健師69名程度の募集に対して、375名受験。採用決定者128名(2.9倍)参照 H29年度東京都職員(保健師)採用試験実施状況。平成29年度特別区人事委員会、採用試験情報より)
行政保健師の就職活動時の留意点としては、年齢制限を設けている自治体があること。希望の自治体の募集要項で、ご自身が対象年齢にあてはまるか確認しておきましょう。また正職員希望の場合は、まずその年度に募集があるかどうかの確認からスタート。ホームページや広報紙などから情報収集していきましょう。
なかには、「自分が希望する自治体が、今年は採用がなかった」という場合もあろうかと思います。その場合には、近隣の自治体で検討するというのもひとつ。公務員である行政保健師は、その安定性などから人気が高く、定年以外での退職は他業種にくらべて少ない傾向にあります。そのため、近隣自治体でも募集があるか確認してみるのも良いかもしれません。
・産業保健師の場合
産業保健師は保健師のなかでも、採用試験の倍率が高い傾向にあります。募集数自体が少ないからです。また、会社員となるため、業績のいい大手企業であれば、他の保健師よりも給与面で恵まれるなど、待遇の良さも人気の要因となっているようです。
産業保健師を希望する場合には、まず企業ホームページと採用情報を定期的にチェックしてみましょう。大手企業の正職員であれば4月採用が多く、それに合わせて採用が発表されますが、中には、年度途中に募集をする会社もあるようです。
産業保健師は、求人を見つけることが難しい分野でもありますので、希望する企業に勤める知人がいれば話を聞く、就職ガイダンスがあれば参加するなど、自分から積極的に動いていくことが大切です。
■おわりに
保健師として採用されることは、簡単なことではないかもしれません。まずは、自分がどのように働きたいのかをしっかり考えて、そして早めに情報収集して対策をたてていくこと。これこそが、保健師として働くための王道です。自身に合った職場が見つかれば、安定が見込めますし、それ相応のやりがいだって得られるはず。今後どんな風に働いていきたいかをじっくり考えていきましょう。