保健師の給料って、どのくらいなのでしょう? どこで働けば給料が高くなるのか、他の資格と比較してどうなのか、気になる給料事情にまつわるアレコレに迫ります。
保健師の給料ってどれくらい?
東京都による医療職給料表(三)によると、一般的な業務を行う役職のない保健師の給料月額は201,800円~361,600円とされています。
実際の給与には、これに特別調整額(管理職手当)、扶養手当、地域手当、住居手当、その他の手当などが加わります。東京都の場合、地域手当が手厚いため、実際の給与は、さらに高めになると言えるでしょう。
http://www.saiyou.metro.tokyo.jp/saisin_kyuuryouhyou.html
「医療職給料表(三)」「給与メモ(平成30年4月1日現在)(PDFファイル)」参照
保健師の仕事はいろいろ! どこで働けば給料が高いの?
保健師の仕事は、勤務先や仕事内容によって産業保健師、行政保健師、学校保健師の3つに分類されます。もちろん年収は、年齢やキャリアによってまちまちですが、ここでは、推定年収が高いと予測される順にご紹介していきたいと思います。
第1位 産業保健師
・推定年収 500~600万円
3つのなかでは1番年収が高いと言われています。
・仕事内容
企業内で働く保健師です。社員ひとりひとりの健康状態を把握し、環境の改善に努めるのが主な仕事です。近年では、うつ病などの精神疾患による休職や退職が問題視されていることから、メンタルケアの役割が強く求められています。
・ここにも注目!
大企業であるほど、年収が高い傾向がみられます。一方で、福利厚生は必ずしも大企業が充実しているとは限らず、臨機応変な対応を行える中小企業に軍配が上がるケースもあるようです。
第2位 行政保健師
・推定年収 500~550万円
年収は、産業保健師にくらべて少し低い傾向にあります。
・仕事内容
保健所や保健センターなどで働く保健師で、住民の健康をサポートするのが主な仕事です。
他の仕事とくらべると、仕事の幅が広い傾向にあります。
・ここにも注目!
休暇や残業、育休や産休などが、規定によってしっかりと保証されています。
公務員ならではのメリットは、やはり魅力と言えるでしょう。
第3位 学校保健師
・推定年収450万円
3つのなかでは一番年収が低いとされています。
・仕事内容
専門学校、大学などで学生の相談に応じたり、応急処置を行ったりします。いわゆる「保健室の先生」は養護教諭免許が必要となるため、学校保健師とは別の職種になります。
・ここにも注目!
公務員的要素がないわけではありませんが、保健師のなかでは、年収が低いとされています。
忙しい割には、給料が少ないという声も聞かれているようです。
看護師系の資格のなかで一番人気! ほかの資格との給与の差は?
看護系資格の中で保健師は、年収が高い傾向にあります。なかには、看護師のときより年収が高くなったというご意見も。看護師系の資格のなかで、保健師に人気が集まる理由は、ここにあるのかもしれません。
ただしどの職種も、年齢やキャリア、勤務先などによって給料の額には、かなりの差が生じるもの。さらに、看護師や助産師は、通常保健師にはない夜勤手当があります。なかには、これによって、かなりの高収入を得ている看護師や助産師も。そのため一概に、どの資格の給与が一番良いのかを断言するのは難しいかもしれません。
ちなみに筆者自身も、看護師を辞めて保健師になったひとりです。年収は、看護師のときより60万円くらいアップしました。ただし、年齢やキャリアが高くなったうえでの比較ですので、保健師になったからだと断言することはできません。同僚の看護師には、夜勤をバリバリこなして夜勤手当を稼ぎ、私以上の収入を得ている人もいますしね。
しかし、夜勤は体力的にかなりハードな仕事。実際、年齢を重ねて、若い頃のように夜勤をこなせなくなったという看護師は大勢います。保健師の仕事は、あまり年齢に左右されませんので、そういった点では、保健師のほうが安定した収入を得られるとも評価できるかもしれません。
また、筆者が看護師を辞めてこの仕事を選んだ理由は、給料や体力とはまったく無縁です。病状の重い患者さんが多い科での勤務。人の死に関わる仕事が精神的に負担で、辛くてたまらなくなり、これ以上看護師の仕事を続けられないと、いまの仕事に就いたのです。
看護師の仕事から、逃げたと言われるかもしれません。でも、自分の心の健康を害して仕事を続けても、よい仕事はできないと思っています。給料の額はもちろん大切な要素ですが、それだけに捕らわれず、自分にとって一番大事なものを見極めたうえで、みなさんにも、自身に合った道を選んでいただければと思います。
保健師としてのお仕事は、働く場所や勤務形態によっても給料が異なります。資格取得の前に、求人サイトを覗いてみるのもひとつ。ご自身の資格取得のモチベーションにも、つながるかもしれません。また保健師でありながら、給料の目安を検索されているのなら、自身の仕事に疑問を持っているのかも……。ひとつの道として、転職も検討なさってみてはいかがでしょう?