看護師と聞くと、どんな仕事をするのか何となくはわかるものの、具体的な仕事内容までは知らない人が多いですよね。学校へ通い資格を取得し、実際に働き始める前に、看護師はどのような仕事をする職業なのかを知っておきましょう。看護師としてどのように働きたいかをあらかじめイメージしておくと、就職・転職活動もスムーズに進められます。
看護師ってどんな仕事をするの?
「看護師」という職業を知らない人はいないと思いますが、看護師がどのような仕事をするのか具体的に紹介いたします。
看護師の仕事を知ろう
看護師の仕事は、「保健師助産師看護師法」という法律により、定められている国家資格です。第5条で「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者」となっています。
引用:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0428-7f.html
看護師として働くために必要な資格
看護師になるためには、国家資格を取得する必要があります。国家資格がないと看護師として働くことはできませんし、看護師だけが行えるはずの独占業務をしてしまった場合、罰を受けることになります。看護師として働くためには、まず資格を取得しましょう。
看護師が主に働く場所とは
看護師は、様々な場所で働くことができます。どんな場所で働けるのか、一例をご紹介します。
看護師として働ける場所をご紹介!
・病院
ここでお話しする病院とは、総合病院のことを指しています。実は、看護師として働く約7割が病院勤務をしています。
・診療所(クリニック・医院)
個人で開業している医院で働いたり、入院施設がない、専門的な診療所などでも、看護師でなければできない仕事があります。
訪問看護ステーション
自宅療養をしている患者のもとに出向いて、訪問で看護をする働き方です。
介護老人保健施設
老人ホームと呼ばれる場所で、入所者の健康管理などを行います。
これ以外にも、看護師として働ける場所はまだまだたくさんあります。医療の在り方が多様化してきた今、看護師の働き方も増えてきています。
看護師の仕事内容を知ろう
次は看護師の仕事内容について知っていきましょう。どこで働くかによっても仕事内容は変わりますが、一般的な「看護師の仕事内容」についてご紹介します。
療養上の世話
療養上の世話とは、病気や障害を持っている人の生活を支えることです。食事や着替え、排せつなど身の回りの世話をし、安心して療養ができるように看護師がサポートします。
診療の補助
診療の補助とは、医師が行う検査や処置の補助などを行うことです。患者の血圧、呼吸など身体の状態を確認し病状を医師に報告する、必要な治療の準備をする、といった行為も看護師にしかできません。看護師だけが行える「独占業務」です。
患者の生活のサポート
療養をするために必要不可欠なサポートをすること以外にも、看護師の仕事はあります。患者がより良い生活ができるように、生活指導なども行います。
外来診療のサポート
外来で訪れた患者さんに対し、医師と協力しながら医療を提供します。外来診療のサポートも診療の補助の一部です。
そのほかの“看護”にかかわる仕事
看護にかかわる仕事は、まだたくさんあります。看護師になってからどこで看護師資格を活かすかによって、働き方や看護師としてするべき仕事内容も異なります。今回は一般的な病院で働く看護師の仕事内容をご紹介しました。どこで働きたいかを考えると同時に、どんなスキルが求められるか、仕事内容をチェックしながら考えておきましょう。
病棟看護師の一日の仕事の流れ
看護師として働く人の中で、約7割近くは病院で働いています。病院で働く看護師の中でも、入院患者のいる病棟で勤務している看護師のことを「病棟看護師」と呼びます。一日どのようなスケジュールで病棟勤務は働いているのか、仕事の流れを見ていきましょう。
実際に病棟で働いている人の一日をチェック!
・申し送り
病棟は、24時間体制で看護師が勤務しています。交代制となっているので、前の担当看護師から引き継ぎをするのですが、その連絡を「申し送り」と呼びます。患者さんの状態がどうなっているのか、重要な情報を口頭で伝えてもらいます。
・患者さんの体調チェック
申し送りの情報をもとに、患者さんの状態をチェックします。体調に変化はないかなども同時に確認し、何かあればほかの看護師や医師に報告します。
・食事とともに薬のチェック
患者さんが食事の時間には、食事を配って様子を見ながら薬も配ります。患者さんによって薬を飲む適切なタイミングはそれぞれ違うため、ちょうどよいタイミングで薬を配るのも看護師の仕事です。
・患者さんのお世話をする
それ以外は、患者さんのお世話をすることが中心です。足が痛い、トイレに行きたいなど…要望に合わせて適切にサポートを行います。
看護師の働き方改革が進んでいる
看護師は、体力的にも精神的にもきつい仕事、とされていました。しかし、2013年2月に「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」が完成し、看護師が健全に安心して働けるように…という改革が行われ始めています。夜勤や交代制によって抱えていた課題や、その負担を軽減するためにどんな対策をするべきなのか、そして夜勤や交代制勤務の規定や法令などをまとめたものです。これからは、より看護師が働きやすいように整備されていくはずです。
働き方で選ぶ看護師の仕事のあり方
これから長い人生、どのように看護師として働いていきたいのか、仕事をしていきたいのかは決まっていますか?目指している理想の看護師像を実現させるためにも、自分にはどうやって働くのが向いているのかを考えてみましょう。
キャリアを積みたい
正看護師として実務経験を積み、既定の年数に達すると「認定看護師」や「専門看護師」の受験資格を得ることが出来ます。より責任のある立場になってやりがいもアップし、資格を持っていることで手当てがつく場合もあります。看護師としてのキャリアを積みたいなら、やはり病棟勤務が一番です。病棟勤務は、看護師としての基本業務をこなすだけでなく、様々な医療現場に携わることができます。
子育てをしながら働きたい
子育てをしていると、独身の時や子供がいなかった時のように働くのは難しくなります。子供が保育園に行っている時間だけとなれば、夜勤ではなく日勤のみの仕事がおすすめです。診療所など、夜勤がない職場を選びましょう。しかし、例外もあります。病院で独自に託児所を設けている場合もあるため、夜勤でも預けられる体制が整っていれば、病棟勤務も可能です。
子育てを終え、職場復帰や資格を生かした仕事をしたい
今まで子育てで少し仕事のペースを抑えていた、もしくは休んでいたけれど、本格的に職場復帰をしたい…看護師資格を生かして仕事がしたい…と思ったときに、気になるのはブランクです。ブランクがあっても働きやすい仕事を選ぶか、もしくはブランクを補うための研修が受けられる病院でいったん研修を受け、本格的な復帰を目指すか、どちらの道を選ぶかは自分次第です。
看護師の資格の取り方
看護師としてどうやって働きたいのかを考えたところで、資格がなければ働き始めることができません。看護師資格を取得する方法をご紹介します。
資格取得までの道のり
看護師資格は国家資格ですが、「国家資格を受験する資格」も必要です。看護大学や看護学校などで3年以上学ぶと、国家資格を受験する資格がもらえます。高校を卒業してからそのまま看護師になる道を選ぶ人が多いですが、「手に職をつけたい」と一生ものの看護師資格を取得しようと、大学に進学してから編入したり、いったん社会人として働いてから改めて看護学校で学ぶ人も増えています。
▼看護師の資格についてはこちらの記事で詳しく紹介しています
看護師の資格を取るためには何が必要?看護師になる方法解説!
看護師の仕事はどこで探すとよい?
看護師の仕事は専門職です。一般の求人サイトにも掲載されていますが、探してみると数が少なく「看護師の求人は少ない」と感じてしまいます。でも、看護師は常に不足しており募集している病院や企業、施設はたくさんあります。良い求人を効率よく探す方法を知っておきましょう。
・派遣会社・エージェント
看護師資格があれば、派遣社員など様々な雇用形態で働くことができます。派遣会社やエージェントからであれば、仕事内容が事前にはっきりとしているのがメリットです。何か交渉したい条件があると、派遣会社やエージェントの担当者から伝えてくれるため、安心して働くことができるでしょう。
・ハローワーク
ハローワークにも、看護師の仕事はたくさんあります。派遣会社やエージェントと違うのは、求人に自分で応募し、条件面なども自分で交渉する必要がある点です。直接雇用が良いという人や、この病院で働きたいという希望がある場合はハローワークで探してみましょう。
▼看護師の転職や仕事探しについてはこちらの記事でも紹介しています
【インタビュー】社会人から看護師へ転職!その方法やおすすめサイト紹介
まとめ
いかがでしたか?病院で働く看護師が全体の7割となっているため、今回は病院で働く看護師の仕事内容を中心にご紹介しました。看護師の仕事内容は、どこで働くかによっても違います。自分にとってどんな働き方が向いているのか、仕事内容をチェックして考えてみましょう。