看護師の免許を持ってはいるけれど、現在は働いていない潜在看護師は約70万人以上ともいわれています。なかには、家庭の事情などで看護師の仕事から離れてしまったけど、また看護師として働きたいと思っている人もいるのではないでしょうか?
看護師として働ける場所はさまざまありますが、そのなかでも復職しやすい場所はどこなのか、わかりやすくまとめてみました。
■ブランクありの看護師の悩み、不安とは
・スキルの不安
実際に行う技術的な部分として採血、注射関連、処置などがあげられます。特に、採血や注射(点滴挿入)に対しては元々、苦手意識を持っている人も多いので、復職する際の不安材料としてもよく聞かれます。実際に患者さんに行う処置で痛みを伴うものでもあり、他の看護師と比べられたり、最悪の場合クレームになることもあるからです。
・知識の不安
病院などで働いていると、病態や看護、薬剤の知識のほか、症状や疾患からのアセスメント能力、緊急時の判断能力などが必要になります。中堅~ベテラン看護師であれば、慣れの部分も多いですが、ブランクがある場合にはその感覚も忘れてしまうことが多いでしょう。看護学校、大学などで学んだことも、使わなければどんどん忘れてしまいます。また、一から勉強しなくてはならない、自分がどこまで知識があるのかさえわからないという人もいるかもしれません。
・生活パターンの変化
今まで別の仕事をしていた場合はそれほど大きな変化はないかもしれませんが、専業主婦だった場合には、生活パターンが大きく変わります。小さな子どもがいれば、仕事に行っている時間だけではなく、送り迎え、家事の分担など、家族全体で調整する必要があります。その変化についていけるのだろうか、家族はどこまで協力してくれるだろうかという不安も大きいのではないでしょうか。
■ブランクありの看護師が復職しやすい場所
・医療的ケアが少ない場所
スキルの不安がある人には、まず医療的ケアが少ない場所をおすすめします。デイサービスや自立度の高い老人ホームなどが代表格としてあげられます。デイサービスや老人ホームでも介護度が高く、医療的ケアが必要な利用者さんがいることもあるので、事前に確認しておくことが必要です。デイサービスや老人ホームで必要なスキルといえば、バイタル測定(体温、血圧、たまにspO2測定)と軟膏処置が主で、場所によっては経管栄養注入、ストマ、インシュリン注射などがあります。
他にもクリニックの診療科によっては医療的ケアが少ないところもあります。皮膚科や精神科などの場合には、内科に比べて採血や注射等は少ないです。
全く医療的ケアがない場所でいえば、保育園、学校や企業の保健室などがあげられます。
・看護師複数体制、指導体制がしっかりある場所
知識の不安がある場合には、看護師一人体制よりも複数体制で、指導体制が整っているところをおすすめします。そのため、少人数のクリニックなどよりも、病院の外来、病棟などの方が、サポート体制が整っていることも多いです。クリニックやデイサービス、老人ホームでも医療ケアが多い、介護度が高いところでは看護師複数体制のところもあるので、そこから知識やスキルの再確認をしていく方法もあります。元々看護師の経験が長かった人などが、意外とやってみたら身体が覚えていたということもあり、あとは古くなった知識をアップデートするだけという声も聞きますので、すぐに誰かに相談できる複数体制はブランクありの看護師にとって安心です。
・シフトが選べる、夜勤がない場所
子どもがまだ小さいなどで夜勤ができない、なるべく生活パターンを変えたくないという方にはシフトが選べて、夜勤がないところをおすすめします。夜勤がない場所はさまざまあり、クリニックやデイサービス、老人ホーム、保育園、学校や企業の保健室などがあります。病院の病棟や外来でも日勤常勤という枠もあるため、選択肢は多いです。シフトを選べるという点では、クリニックなどの場合には午前のみ、午後のみ、早番遅番などの細かなシフトがあるところも増えてきています。最初からフルタイムではなく、半日からスタートして身体を慣らしていく方法も可能です。
看護師として復職したいときに不安材料になるのはスキルや知識などが多いですが、実際にはその不安材料が少ない場所やフォローする体制が整っているところは多くあります。看護協会や民間でも看護師復職セミナーを開催している団体はあり、うまく自分の考えるキャリアに必要な情報と自分自身のレベルを知るために参考にしてみてください。
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