国内海外問わず、たくさんの人に飲まれている「日本茶」。おもてなしをする際にも欠かせない飲み物ですが、いざお客さんに出すとなると、ちゃんと入れることができるかどうか、そのお作法も気になるところ……。そこで今回は、日本茶の正しい入れ方をご紹介していきたいと思います!
■お茶を美味しく、入れることができますか?
飲む機会の多い日本茶ですが、あなたは正しく入れることができますか? 美味しいお茶を入れることができれば、あなた自身の評価がグッと上がるかもしれません。一口に日本茶といっても、色々な種類があり、茶葉の品種や加工も違えば、美味しく淹れるポイントさまざま。お茶ごとのコツを理解しておけば、周りにも喜ばれ、いつでも、おいしいお茶を飲むことができますよ!
■日本茶の入れ方の基本「廻し注ぎ」
日本茶を入れる基本として覚えておきたいのが、「廻し注ぎ」。茶の量と味を均等に注げるよう、基本的な入れ方を覚えておきましょう。
【3人分のお茶を入れる場合の「廻し注ぎ」】
1.急須にお茶ができたら、1番目の茶碗から2番目、3番目と、少しずつ注ぎます。
2.次に、3番目→2番目→1番目と注ぎます。
3.ちょうどいい量が茶碗に注げるよう、1と2を繰り返します。
■【おなじみの緑茶!】煎茶
煎茶は日本を代表する緑茶で、茶葉を蒸して作られた不発酵茶です。普通煎茶と深蒸し煎茶がありますが、そのふたつを合わせて、日本緑茶の6割以上を占め、程よい渋みと爽やかな香りが特徴。朝の一杯や食後に飲まれることも多いお茶です。
【美味しい入れ方】
1.お湯を沸かしたら、人数分の茶碗それぞれに、8分目までお湯を注ぎます。
2.ひとりあたり2~3g(ティースプーン1杯)を目安として、煎茶を急須に入れます。
3.人数分の茶碗に注いだお湯を、急須に入れ、1~2分(深蒸し煎茶であれば30秒~1分)待って、急須を揺らさず静かに「廻し注ぎ」で茶碗に注ぎます。
おいしく煎れるコツは、80℃~90℃くらいのやや高めの温度で入れること(上級茶であれば70℃)。この方法なら、茶碗を温めながら、ちょうど良い温度で入れることができます。
■【食事中はコレ!】番茶・ほうじ茶
番茶は、新芽が伸びて固くなった茶や古茶、茎が原料のお茶で、渋みの少ないさっぱりとしたお茶。一方のほうじ茶は、下級の煎茶や番茶を、強火で焙じたお茶で、番茶と同じく渋みや苦みの少ないお茶といわれています。これらのお茶は、食事中に飲まれることが多く、料理の味を邪魔することないお茶として愛されています。
【美味しい入れ方】
1.煎茶とは異なり、番茶やほうじ茶は、しっかり沸騰させたお湯を、茶葉を入れた急須に直接注ぎます。茶葉の量は、ひとりあたり3g(ティースプーン1杯)が目安です。
2.急須にお湯を入れたら、30秒ほど待ってから、「廻し注ぎ」で茶碗に注ぎます。
煎茶にくらべて早く入れられるのも、便利なポイント。せっかちさんには、こちらのお茶がいいかもしれません。
■【ちょっと特別なシーンは…】“玉露”を美味しく淹れるコツ
玉露は、最高級のお茶といわれており、栽培時に「よしず」や「わら」で日光を避けながら育てているため、苦みが抑えられ、旨味が増しているのが特徴。香りは海苔に似ていて、甘みがあり、とろけるような味わいです。甘いお菓子との相性がとてもよく、リラックスしたいときや、おやつタイムを贅沢にしてくれます。
【美味しい入れ方】
1.お湯が沸いたら、人数分の茶碗にお湯を入れて、50℃~60℃くらいまで冷まします。
2.急須に、ひとりあたり3~5g(ティースプーン1杯)を目安に入れて、適温になった茶碗のお湯を注いでいきます。
3.2分~2分半ほど待って、静かに「廻し注ぎ」で茶碗に注ぎます。
玉露は、少しぬるめのお湯で時間をかけて入れるのがコツです。大切なお客様が来たときに、心を込めて入れてみてはいかがでしょう?
■シーンに合わせてお茶を楽しむ
香りや味をじっくり楽しむことで、よりよい時間にすることができるのも、お茶の魅力のひとつ。シーンに合わせたお茶を選んで、一番おいしく飲めるお作法をマスターしましょう!