転職をする際には「なぜ前の病院を辞めたのか」聞かれるケースが多いもの。とはいえ、その理由は「以前勤務していた病院への不満」であることが多いのではないでしょうか? そのため、正直に答えれば、単なる愚痴や不満だと捕らえられかねません。そこで今回は、転職先への印象を悪くしないよう、看護師が履歴書に書くべき、転職理由をご紹介していきましょう。
■人間関係が悪い
人間関係が悪くて辞めた場合には、人間関係のトラブルの経験から、その大切さを学び、忍耐力や協調性が養われたことをアピールするのが◎。また、その経験によって今後、病院のためにどのような貢献ができるか、具体的に示すことも重要です。
(履歴書の理由欄の記載例)
・周囲とより深くコミュニケーションを取りチーム医療に貢献したい
・秩序と思いやりのある看護チーム作成に貢献したい。
・チーム医療に貢献することで、看護師としてステップアップしたい。
・人間関係のトラブルを解決した能力を生かして、こちらのような素晴らしい病院で貢献したい。
(面接対策)
前の病院でのトラブルに関して、説明を求められた際、自己の正当性を主張しようとするあまり、相手や病院を非難する発言をしてしまうケースがよくあります。印象がよくないばかりか、逆にあなた自身に問題があるのではと疑念を抱かせる場合もありますので、あくまでも客観的な視点で、冷静に状況を説明することを心がけておきましょう。
■通勤が遠い
通勤が遠くて辞めた場合には、地元への愛情や貢献したいという思い、通勤時間の短縮に
よりやれることが増える、制限がなくなるという点をしっかりとアピールしましょう。
(履歴書の理由欄の記載例)
・地元の病院で地域医療に貢献したい
・通勤が遠かったため制限されていたことを近隣のこの病院で積極的に実行したい。(残業や早出、遅出、オンコールなど)
・愛着と親しみのある地元で働くことに魅力とやりがいを感じる
(面接対策)
理由欄に記載された内容をみた担当者が、地元に関する質問を投げかけてくることがあるかもしれません。まったく答えられなくて、担当者をがっかりさせるなどということが無いように、事前にしっかりと情報収集しておきましょう。
■病棟勤務は体力的に大変なので、クリニックに転職したい
体力的な問題で、クリニックに転職したい場合には、クリニックならではのメリットと、クリニックでしかできないことをポイントに考えてみましょう。
(履歴書の理由欄の記載例)
・より患者さんにとって身近な存在のクリニックで地域医療に貢献したい
・患者さんにとって、いつでも相談できる身近で親しみやすい看護師になりたい。
・総合病院は敷居が高いと感じる患者さんにとって、医療の窓口となれる看護を目指したい。
・クリニックならではのアットホームで密接な人間関係に魅力を感じる
(面接対策)
面接担当者に「前の病院は○○病院ですか? 忙しくて、大変だったでしょう。」などと話をふられ、思わず「実は、それが嫌でこちらの病院に……」などと口を滑らせてしまう方も少なくないようです。つい本音をもらしてしまわないよう、理由欄に記載した内容をしっかり頭に叩き込んでおきましょう。
また、自分のあげた理由に関する裏付けも怠ってはなりません。たとえば「医療の窓口となれる看護を目指したい」のであれば、実際の医療の窓口としてのクリニックの役割や、システムについて説明できることが欠かせないのです。これらの努力を怠らずに一貫したストーリーを作成しておけば、つじつまの合わない発言をするような失敗もなくなるはずですよ。
大切なことは、履歴書の理由欄を印象の良いものにするだけでなく、その後の面接での成功に繋げることです。くれぐれも、思いつきやその場限りの内容を記載して、面接でボロを出さないよう、よく考えて作成しましょう。逆に、ここでしっかりと作成できたなら、その後の活動は、かなりスムーズで楽なものになるはずですよ!