看護師のキャリアアップ資格のひとつ「認定看護師」。「なんとなく聞いたことはあるけれど……」「いつかは取得したいな」「キャリアアップのために!」そんなふうに考えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか? 2018年、日本看護協会認定部の発表によると、認定看護師として登録されている看護師の数は19,835名 。ここでは、みなさんが思う「認定看護師とは?」を、看護師である筆者がわかりやすくまとめました。
■認定看護師とは? キャリアアップになる?
認定看護師は、看護現場における看護ケアの広がりと、質の向上を図ることを目的として、1995年に日本看護協会によって作られた資格制度。わかりやすくいうと、その分野のプロ看護師のようなイメージです。
救急看護や皮膚・排泄ケア、がん化学療法看護など21分野が、現在認定看護分野として登録されています。特定の看護分野において、実践・指導・相談の3つの役割を担っており、看護の質の向上に努める看護師として活躍していくことができます。
■認定看護師になるための条件
・看護師免許の取得
日本の看護師免許が必要です。准看護師の方は認定看護師の資格を取得することができません。
・5年以上の実務経験
看護師免許取得後、実務経験が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)が定められています。通算5年以上ですので、結婚や出産などで仕事を離れている期間が長くても、看護師として勤務している期間の合計が5年以上であれば問題ありません。
・各教育課程の入学試験への合格
上記の条件を満たした場合、認定看護師になるための研修に参加する資格が与えられます。ただし、どの分野の研修にも定員が定められているため、各分野別に行われる「入学試験」に合格する必要があります。
・研修への参加
入学試験に合格した方は、認定看護師になるための「6か月間・615時間以上」の研修に参加できます。「連続した昼間の研修」への参加が必須となるため、現在お勤めの場合には、休職や退職が必要になってきます。
・認定看護認定審査への合格
6か月間の研修が終了すると、「認定看護師認定審査」を受験します。2018年、第26回認定看護師認定審査の結果によると、87.4%の高い合格率となっており、、不合格となった場合は、翌年以降に再度試験を受けることが可能です。
■キャリアアップに最適! 認定看護師になるメリット・3つ
1.部署を超えて看護を提供できる
病棟配属の看護師の場合、通常は他病棟への応援でもない限りは自分の配属された部署で看護を行いますが、認定看護師の資格を取得すると、応援要請がなくても自らの判断で他部署にて看護を提供することが可能です。
2.夜勤免除、土日祝日がお休みになる可能性が高い
認定看護師の資格を生かすことができるのは、患者さんの起きている日中が中心ですので、夜勤が免除になることが多いようです。また、認定看護師外来を開設している病院の場合、土日や祝日、お盆などの長期休暇の時期は外来も休みになり、カレンダー通りの休みとなることが多いのもメリットと言えるでしょう。
3.医師から判断を任されることが多くなる
通常、看護師は医師の指示のもとで看護やケアを提供するため、医師の指示を指摘することは難しいですよね。しかし、認定看護師の資格を取得すると、その分野に関してはエキスパート。そのため、医師からの信頼も高くなり、治療や疾患に関して相談されることもあるようです。
キャリアアップのひとつとして検討したい認定看護師。より良い看護を提供することに繋がりますし、理想に近い働き方ができる、ひとつの手段とも言えるかもしれません。資格を取得する過程は大変ですが、資格を取得することで、さらに自信をもって看護を提供することができるようになるはず。認定看護師として大きな手当がつく病院もあるため、転職も視野に入れながらチャレンジしてみてはいかがでしょう?