日々の激務を遂行されている看護師のみなさん。自分の仕事だけでも手いっぱいとは思いますが、春になれば、新人看護師たちがやってきます。でも、「いい先輩になれているのか不安……」なんて方も多いのではないでしょうか? そこで今回は、後輩と接する時に役立つ「後輩を育てるための心得」を予習しておきましょう!
■相手が言い終えるまで待つ
新人の場合、きっと知っていて当たり前の質問を投げかけてくるかもしれませんが、できるだけ、相手が話し終えるまで、聞いてあげることを心がけてみてください。知っていることだと質問の途中で「それは、こういうことよ」「あ~、違う違う!」と、相手の話を横取りしてしまうことがありますが、そこはじっと我慢。相槌は打ちつつ、まずは、聞くことに専念してみましょう。
■相手は解決策を必ずしも求めているわけではない
後輩の看護師から、アドバイスを求められたらあなたはどうしますか? 相手の悩みを解決するためにきっと「あーしてみたら?」「こうしてみたら?」と一緒に考えてあげるはず。それ自体は後輩を想い、してあげていることなので、とてもいいことです。しかし中には、既にその解決策の答えが出ていたりする場合もあります。簡単にいうと「ただ話を聞いてもらいたかった」「ただ背中を押してもらいたかった」というところでしょうか。ですので、相手が何を求めているか、会話から探してあげるもの先輩の役目。お節介をやきすぎず、後輩を尊重できる先輩を目指しましょう。
■具体的なアドバイスを返さなくても大丈夫
相談されるこちら側としては、「せっかく話してくれたんだから」「なにかアドバイスしてあげなきゃ!」と張り切ってしまう方も多いと思いますが、日々不安で押しつぶされそうな新人たちの場合、聞いてもらえるだけで救われることも多いもの。具体的なアドバイスをしなくちゃと構える必要はなく、ただ話を聞いてあげて、相手の心に寄り添ってあげることだって十分意味があることなのです。
■共感、理解、肯定の姿勢を見せ、自分の意見(異論)を言う
後輩から持ち込まれる悩み事の中に「いや、それはないわよ」「でもね、それは違う」というような話も出てくると思います。しかし、まずは相手の心のうちを、すべて吐き出させることを第一に考えるのが◎。「そういう意見もあるね」「その判断は間違ってなかったよ」というように、共感し、理解、肯定してあげるという姿勢が大切です。そのうえで、「でも私だったらこうするよ」「こうしたほうがもっといいかも」と自分の考えを伝えれば、相手の気持ちに素直に入っていきやすいもの。会話をするときは、否定から入らず、肯定を意識してみましょう。もちろん仕事の手順などを求められている時は別です。なぜそういった手順を踏まなければいけないのか根拠まで説明してあげるようにすると、理解度が深まりますよ。
■自分を立派に見せようとせず、失敗談も共有する
みなさんにも、新人の時代があったわけですから、失敗談や悩んだ経験などがたくさんあるはずです。ですので、新人に対しては自分を取り繕いすぎず、「私が新人の頃こんな失敗したよ」「こういうことで悩んでいたことがあるよ」と、後輩に開示してあげましょう。きっと緊張や警戒がほぐれ、距離が少し縮めるきっかけになるはずですよ。
悩み相談や、後輩の育成は大変なことですし、「どんな新人がくるのか……」こちら側も不安になりますよね。でも一番大切なことは「後輩を育てて、成長させてあげる」という気持ちです。相手の話にしっかり耳を傾けて、「困ったら○○先輩に相談しよう!」と思ってもらえるような先輩になれたらいいですね。