最近、癒しホルモンとして注目されている「オキシトシン」。看護師のみなさんなら、一度は聞いたことのある用語なのではないでしょうか? 実は、このホルモン、ちょっとした心がけで分泌を増やすことができるのです。みなさんも癒しホルモンを分泌させて、ストレス対策してみませんか?
■オキシトシンって何?
オキシトシンとは、女性にとって重要なホルモンで、陣痛促進剤としても使われていることで有名です。母性愛と深い関わりのあるホルモンとして知られていましたが、近年、老若男女問わず分泌されることがわかってきました。スキンシップを図ることで分泌されるこのホルモンは、さまざまな実験により、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させる効果や、相手への信頼が増す効果などが明らかになってきています。
■オキシトシンの効果
小さい頃に抱っこやおんぶなど、親とのふれあいを多く体験した子どもは、情緒が安定する傾向にあります。これもオキシトシンの効果です。そして、その効果は男女間にも関係しているよう! 男女間のスキンシップが十分だと、オキシトシンが分泌され、浮気をしなくなるということがわかってきているのです。さらに、その効果はコミュニケーションをとるのが苦手な、自閉症患者の症状が改善されたことでも明らかになりました。オキシトシンの点鼻薬を、自閉症患者に10か月間の投与したところ、コミュニケーション能力に変化がみられたのです。このように、オキシトシンには、心を落ち着かせてくれたり、愛情深くなったり、コミュニケーション能力をあげてくれたりする効果があります。つまり、オキシトシンを分泌することができれば、対人関係をいい状態に保ち、心を平穏な状態にできるのです。こんな癒し効果があるのであれば、ぜひたくさん分泌させたいですよね。
■分泌させる方法
オキシトシンを分泌させる主な方法は、「スキンシップ」。母親が赤ちゃんを抱っこしたり、恋人同士手をつないだり、SEXしたりすることでも分泌されます。(※SEXや手を繋いだりする、恋人的な行為の場合は、必ず互いが好意的であることが必要)「身近に、相手がいないんだけど……」という場合には、マッサージやリフレクソロジーなど、心地よく他人に触ってもらうだけでもOK! 看護師のみなさんは、不安や緊張を感じている患者さんの肩や背中に優しく触れることでも分泌促進できます。また、直接触れること以外に、精神的な接触もオキシトシンの分泌に繋がります。ペットを可愛がる、気の合う友人とおしゃべりして思い切り笑う、なるべく食事を誰かと一緒にとる、人に親切にするよう心がけるなど、他人との積極的な関わりが、オキシトシン分泌の鍵なのです。
いかがでしたか? 「幸せホルモン」「癒しホルモン」「信頼ホルモン」などという別名もあるオキシトシン。みなさんもたくさん分泌させて、ハッピーな毎日を送りましょう!