マクロビオティックは、日本だけではなく、世界中のセレブ達にも支持されている食事法のひとつです。このマクロビオティック、実は日本生まれだって知っていますか? 日本の食事法が発展した形ともいわれ、その内容は決して難しいものではありません。今回は、そんなマクロビオティックについてご紹介します。
■マクロビオティックってなに??
日本CI協会のHPによると、マクロビオティックとは、「長寿法を説くものであり、人と生き物と環境のバランスを保ちながら健康の根源を支えるもの」とされています。日本人が提唱した健康手法ではありますが、「マクロビオティック」という言葉はフランス語で、語源は「大いなる生命」という意味のギリシャ語だそう。マクロビオティックの食事の原則は「穀菜食」。つまり、玄米などの全粒穀物と、野菜、豆、海藻類が食事の主体です。また、牛、豚、鶏などの動物性食品は禁止されており、マクロビオティック実践者の多くがこのことを実施しています。
■「身土不二」「一物全体」の原則
日本CI協会では、マクロビオティックにとても厳しい基準を設けています。そのベースは、「陰陽」の考え方であり、「身土不二」と「一物全体」という原則です。「身土不二」とは、身体と土は、もとをただせば同じものという考え方です。人(身体)と作物は同じ土で育つので、地元で育った旬のものを食べることが、調和につながるとされています。また、「一物全体」の原則は、まるごと食べるということです。穀物は、なるべく精白していないものを、野菜は、葉、茎、皮、根などをまるごと食べてこそ、最高最適の恩恵があると考えられているのです。
■マクロビオティックの陰陽食材とは?
食べものには「陰」と「陽」の性質があると考えられています。これは、古くからある陰陽の考え方で、食べものに限らず、万物は陰陽で成り立っているというものです。たとえば、「陰」は外へと広がる力があり、「陽」は中心へと向かう力があるという、相反する性質や作用があります。そして、マクロビオティックで大切なのは、陰と陽のバランスが取れた「中庸」の状態を保つこと。そして、この食品選択基準に合う食べものは、この中庸の性質をもつ穀類や野菜です。陰性の食材の例は、砂糖、油、果物、乳製品。陽性の例は、肉、魚、卵など。現代の食習慣では、陰陽のいずれかが過多になりやすく、それが不調の原因と考えられるのです。
■マクロビオティックのメリット・デメリット
マクロビオティックを実践すると、体質改善や、美容効果が期待できます。脂肪分の多いお肉や、摂り過ぎていた糖分を減らすことで、だるさや倦怠感がなくなったり、風邪をひきにくくなったりと、心身ともに健康になるといわれているのです。老化の原因である、糖化も防ぐことができますし、穀物や野菜から食物繊維を摂ることで、便秘解消や美肌にも役立ちますよ! また、実践中は、食材を厳選する必要があるので、それも楽しみのひとつといえるでしょう。一方、気になるデメリットは、その実践の難しさ……。厳格な基準に基づく食材選びは、コンビニなどでは入手しにくく、一物全体の原則に基づけば、大根ひとつとっても、葉のついたものを選ぶことになってしまいます。それが毎日となると、なかなか難しいですよね。飲み会などの、付き合いの場でも困ってしまいそうです。そして、気を付けて欲しいのが栄養不足。マクロビオティック実践中は、肉、魚などを食べないため、これらに含まれるたんぱく質を、代わりのものから摂る必要があります。避ける食材には栄養豊富なものも多いので、栄養管理が難しいのです。
とはいえ、どんな健康法にもデメリットはつきもの。完璧なマクロビオティックを目指すのは難しいかもしれませんが、考え方や食事の内容には、取り入れやすいものもあります。ゆるく始めて、自分に合ったマクロビオティックを見つけることからチャレンジしてみるのも、いいかもしれません。普段意識しない食材を意識するだけでも、体調の変化を感じられるはずですよ。